2022/05/18
1.誕生秘話
NCは、椅子張地 Ribaco NCシリーズとして1986年(昭和61年)に誕生しました。
業界でもロングランの商品の一つとして、今日まで多くのお客様にご愛顧いただいています。
NCの名前の由来は「ニューカラー」の略です。発売当時の業界では、1シリーズあたり6色、多くても10色ほどしか色がありませんでした。青・赤・グレー・黒・オレンジ・茶色など、色の選択肢は限られていたのです。
当時、椅子張り担当であったある営業マンは考えました。
「もっといろいろな椅子を楽しんで使ってもらう、そのためには椅子の表面を覆う椅子張りはたくさんの色があった方がいい。また色の多さだけではなく、デザイン性や品質も大事だ。これからインテリアをさらに楽しんでもらう時代が来る。そのためには、今までにない新しい椅子張りシリーズが絶対に必要だ」
そう考えた営業マンは、まずお客様のもとを訪ね、張地の色や意匠性についての要望を聞きました。また、椅子を作る職人さんから張地の強度・伸び率などの使用上の問題点も聞き取りました。
耐久性はもちろんのこと、長期にわたって飽きのこない意匠性にしてほしい、という声が多数を占めました。色の表現については単純な単一色ではなく、経糸・緯糸の異なる色の組み合わせや色の深みを出してほしいという要望も多くありました。
こうした要望を実現するため、意匠性についてはあまり特徴を持たせず、かといって経糸・緯糸1本ずつを組み合わせた「平織」ではなく、経糸・緯糸2本ずつを組み合わせた「ななこ織」を採用しました。また、糸の段階で染色する先染めの手法を取り、色の深みと織物全体の質感を高めるため、糸の素材はアクリル70%・ウール30%の特注の混紡糸としました。基本設計が完成するまでに1年以上を要しました。
1985年(昭和60年)、発売の1年前にNCの試作品が完成しました。ご要望をお聞きしたお客様からも好評をいただき、いよいよ発売へという段階でした。
しかし、ここで大きな問題が発生しました。(続きは次回)

